争いは

つづく

灰の子

怒りというか、むかつきというか、イラつきというか、絶望と憎悪の魔宮がさ、ずっとなくならない

 

漫画を読んで忘れようとしたけど、読み終わったあとからフツフツと、さっきよりも巨大な絶望と憎悪の魔宮がたちあがってきて、どうしてもはらいのけられなくて、その中にすっかり閉じ込められてしまった

 

どうしてこんなにも腹が立つのか

仕方のない人、などと思うことで精神的優位にそのまま立っておればよいものを 必死にそう思おうとしているのに、だからといってあんなのはあんまりじゃないか と感じられてくる それで、新鮮な熱い怒りが何度も何度も不死鳥のように、消えてはよみがえるの 消えたとてうかぶものってこれのこと?

無意味に消耗するだけってわかっているのにな

 

寝ないと、って思って目を瞑る 記憶が反芻される 画面も何も見ていないから、気を紛らわす術がなにもない 反芻は続く 落ち着かない 拳や眉間や顎のあたりに力が入る 手のひらのぷくぷくに爪がめり込む 頭が痛む 涙がぽろぽろこぼれていく おれはとうとう怒りの涙しか流せなくなっちゃったんだろうか

 

今日ちょうど、帰路につきながら泣きたいなあと考えていた 作品を見て、涙ぐんだり、ちょろっと涙を流すことはあったけど、最近はおのれの感情のままに泣くことは少なくなっていたから 何となく解放したいような気分だった

とはいえなにか悲しい出来事があったわけでもない 当分泣かずに過ごすことになるなあとそのときは思っていた でも、まさかまさかの怒りと悔しさと憎しみによって、今夜泣かされることになるとは 自分的には最もみっともない泣き方 感情のままにと言えばそうかもしれないけど、こういうのは違うんだよ

 

 

怒りに対して肯定的なイメージを持つ人は少ないと思う だから告白するのが憚られるけど、おれはそこそこ怒りっぽい 外ではいいこのフリをしているので、怒るのは家の中にいるときくらいだけど(とはいえ家族以外の誰かが怒りの対象になることはほとんどない)

本当にコンプレックスだ

なんでいちいちどうでもいいとか思えないんだろう まともに向き合おうとしてしまうんだろう あしらっちゃえばずっと楽なのに、そんなのはおれの正義が許さない あくまで「おれの」であって、そこに正当性なんて微塵もないのはわかっている

理想が高すぎるのかな そんなことないと信じたい

 

おれのなかに支配欲がうずまいているとして、わたしがいま絶望と憎悪の魔宮状態になっているのが、その欲がうまく満たされなかったためだったとしたら、まじで怖すぎる

せめて、受けた痛みによるものであってほしいな

 

 

書いていたら落ち着いてきた ぶちまけることにも多少の効果はあると思うが、なにより、文章として出力しようとする中で、またそれを確認する中で、心の中が整頓されるとともにおのれの感情に対して客観的になれるのだろう

 

 

 

いつのまにか眠っていて朝になりました。

目覚めると怒りが消えかかっていた 怒りが消えるのならよいことだろうに、それがなんだかとっても、妙に悔しかった しょうもないおれのお気持ちに巻き込むのは申し訳ないけど、朝起きたら妹に愚痴を言ってやる気満々だったんだ だけど怒りは消えちゃった 愚痴を言いたいという欲を残したままに、怒りの炎は鎮火されてしまった