数年前から足の裏にほくろのようなものがある
気づいた時、その黒い一点に私は一筋の光を見出した
そこそこの大きさがあって、輪郭は滲んだようにぼやぼやしていて、濃淡があったりして、メラノーマともよばれる悪性黒色腫の特徴にいくつか当てはまるから
なぜ、それが光となるのかは言うまでもないだろう(無論おれにとっての話である)
それでも、少し怖くなってほくろとの見分け方などを調べたりもしたが、とりあえずこれまでは放置を決め込んできた
特に体調等に変化はなかったし、いまもない
でも今日久々に注意して足の裏のそれを見てみたら、なんだか前よりも色が濃くなっているような気がした
数年ぶりに再び、見分け方を調べた
何回調べたってなにを見たって大体同じようなことが書いてあるのに、おれはいつもそう 調べるだけのことに時間をかけすぎる傾向にある 殺してほしい
まあ、そういうのもたまには許しましょうか
上記の他にも皮膚の状態から判別する方法が存在するということを検索の甲斐あって知ることができた
しかも、それは結構有効な方法らしい
本当は診断機器を用いてやっと判別できるものなのだが、おのれでなんとかして見てやろうと、足の角度を変えたり、スマホのフラッシュをオンにしたり、ピントと格闘しながら、足の裏の写真を必死に何枚も撮った
スマホのカメラからしてみれば、足の裏を接写するなんてまさかなことだろうし、もがいてみてもやはり限界がある 明瞭には撮れなかったが、判別できそう?な写真を一枚撮ることに成功した
それがこちら
というのは冗談でございます…
例の写真をもとに自分で判別してみたところ、ほくろかもしれないし、ほくろじゃないかもしれないし、という感じであった すなわち、よくわからなかった だけど恥ずかしい話たいそう不安になってしまった 何回も何回も写真を見直して、もう二度くらい撮り直して、明度やコントラスト、ブラックポイントなどを調整して…
そのうち、よくよく考えてみて、おれは癌のことをあんまりわかっていないということに気がついた やばそうな雰囲気はあるが、具体的にどうやばいのだろう 転移してどうなのか
「癌 なぜ死ぬ」で検索した
死に至る要因にはいくつかあるようだ
妹に「癌でなんで死ぬと思う?」と問うと、妹は笑いながら、まず「あんた、怖くなっちゃったの」と言った
「心臓をだんだんと蝕むから?」
「…当たらずとも遠からず」(この言葉初めて使った)
病理医の人の記事にいろいろ書いてあったことを簡単に説明したら、癌って怖いねえと顔を歪ませていた
一方のおれは、癌について無知でなくなったからか、あんまり怖くなくなってた まあ、怖いけども…
なんで怖いんだろう なにが怖いのか
おれは、やっぱり死が怖いのか
ただ癌そのものを怖がっているだけなのか
だとしたら、癌について調べて知ることで怖さが少し軽減されたのも納得がいくけど
ぼろぼろになっちゃうことが怖いのかな
そんなこんなで、怖くなったり、怖くなくなったり、また少し怖くなったりもしたわけだが、まだ放置を続行するつもりである
と言うのも、なんとなく大きい気がしてたその黒ぼや、実際測ってみたら5mmくらいだったから…
もう少し大きくなるまで、様子を見ようかと思う(7mmくらいになったら病院行きます)
でも何年も一緒だから、いざ切除とかされたらそれはそれでさみしい気持ちになったりするのかな はたまた、めちゃくちゃ苦しむことになって絶望と憎悪の魔宮状態となるのか
いまはまだ、知る由もないな
人生も全体的にそんな感じでやっていきたいの👴🏻
そういえば、友達にすすめられて「ナナメの夕暮れ」という本を読んだ ある芸人さんのエッセイ本だ
あの本に書かれてる内容も、足の黒ぼやとはまた違ったものではあるけれど、おれにとってぼんやりとして優しい光であったな