スカートの裾を一周まつっていたらこんな時間になってしまった
お腹が空いた
アイロンがこちらを見ている 目が不気味に幾つもついているように見える
見つめてたらあたしンちのお母さんに見えてきた 化け物じみたアイロンに対する恐怖の感情を紛らわせるための脳内の錯覚なのか
外から、いやもしかするとすぐそこ、自分の隣あたりからボーーーーという音が聞こえる 文字を打ってる間に聞こえなくなった
アイロンの顔が頭から離れない
怖スイッチがオンになってしまった
スマホの充電がもう4%しかない 充電コードは布団の外 どうする どうする
暗闇に目はすっかり慣れて、すこし安心したのも束の間 アイロンのシルエットがはっきり見えてやっぱり恐ろしかった
そしてボーーーーという音も、布団に潜るとまた鳴ったり止んだりするのだった